日本大百科全書(ニッポニカ) 「養殖場」の意味・わかりやすい解説
養殖場
ようしょくじょう
有用な水産生物を養殖する場所。一般に養殖する生物の名を上につけ、ノリ、ワカメ、カキ、真珠養殖場とよぶ。ブリ(ハマチ)、マダイ、キンギョなどの魚類の養殖場は養魚場というが、コイでは養鯉(ようり)場、ウナギでは養鰻(ようまん)場という。海では浅海を堤や網などで仕切るか、筏(いかだ)や生け簀(す)網を浮かべる。陸上でも、湖沼を浅海のように仕切ったり、生け簀網を浮かべたりするが、コンクリート製の養殖池を造成するのが一般的である。
養殖池は用途によって、雌雄の親魚池、産卵池、孵化(ふか)池、稚魚池、養成池に分けるが、併用して使用する場合もある。また、養殖池は止水式と流水式とで大きさや形が異なる。止水式では広くて浅く、流水式では狭くて深く、水が流れやすいようにつくる。養殖池に使用した水を捨てずに、濾過(ろか)して使用することも行われており、このような池を循環濾過池という。
なお、ニワトリ、ブタ、ウマ、ウシなどの陸上動物を成育したり、繁殖させたりする場所は養鶏(ようけい)場、養豚(ようとん)場、牧場とよばれている。
[出口吉昭]