餠花(読み)もちばな

精選版 日本国語大辞典 「餠花」の意味・読み・例文・類語

もち‐ばな【餠花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正月、小正月節分などに各家で行なう予祝行事の一つ。藁や柳・竹・桑などの木の枝に餠をちぎってつけ、花の咲いたようにしたもの。神棚や室内に飾る。養蚕の盛んな地方では繭玉といって、繭の形のだんごをつけたり、他の飾りもつける。ふつう一一日か二十日正月におろし、煎って食べる。二月一五日の涅槃会、六月一日の氷の朔日、初雷の時に食べる所もある。もちの花。《 季語・新年‐冬 》
    1. 餠花<b>①</b>〈大和耕作絵抄〉
      餠花〈大和耕作絵抄〉
    2. [初出の実例]「冬の梅は一輪二輪かすかに咲きて匂ふこそあはれ深からめ、余りに正月の童の餠花つけたるやうに咲きたるを、ふさはしからず見ての事なり」(出典:宗長手記(1522‐27)下)
  3. 江戸目黒不動などで売った縁起物。赤、白、黄などに彩った餠を花のように木の枝につけたもの。
    1. [初出の実例]「此ごろ目黒詣とて〈略〉板付の餠花(モチハナ)買せ」(出典洒落本・禁現大福帳(1755)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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