餡掛け(読み)あんかけ

改訂新版 世界大百科事典 「餡掛け」の意味・わかりやすい解説

餡掛け (あんかけ)

葛(くず)あんをかけた料理葛ひきともいう。豆腐,野菜,魚貝類,うどん,粥などに適する。葛粉,あるいは片栗粉を水でといて調味しただし汁に流し入れ,火を通して透明な粘液状にしたのが葛あんで,これを蒸したり煮たりした材料に流しかける。あん掛け豆腐は,豆腐をコンブだしなどで煮て中まであたためたところで,上から熱い葛あんをかけ,溶きガラシなどを添えるもので,室町期の《大草家料理書》に〈あん豆腐〉の名で見られる古い料理である。あん掛け粥は京都瓢亭(ひようてい)の朝粥で知られているが,固めにたいた白粥に淡口(うすくち)しょうゆで調味したあんをかける。トウガンなどは薄味に煮含めたものにあんをかける。中国料理にもあん掛けは多く,芙蓉蟹フーヨーハイ)や糖醋鯉魚(タンツーリーユイ)(コイの丸揚げ甘酢あん掛け)などがよく知られている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 鈴木

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む