フーヨーハイ(読み)ふーよーはい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フーヨーハイ」の意味・わかりやすい解説

フーヨーハイ
ふーよーはい / 芙蓉蟹

中国料理で、カニ入り卵焼きのこと。広東(カントン)語の読み方はフーヨーハイで、北京(ペキン)語ではフーロンシエである。日本人は俗に「かにたま」と称して愛好している。作り方は全卵の中にほぐしたカニの身、ゆでたタケノコのせん切り、グリーンピースを入れ、塩、酒、少量のしょうゆ、砂糖で軽く味つけする。中華鍋(なべ)を熱して比較的たっぷりの油を入れ、材料全部を一度に入れて軽く混ぜ、全体が半熟程度に焼けたら、温めた器にふんわりとって供する。弱火で焼くと油くさいので強火を用いるが、焦げ目をつけてはいけない。別法として、1人分ずつ円形にふっくら焼いて、上に薄いあんをかけてもよい。あんはスープに少量の塩、酒、しょうゆとかたくり粉を加えたもので、ショウガの絞り汁2、3滴を落とすとよい。宴会席には本菜として供するが、1人分ずつのものは向かない。

[野村万千代]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「フーヨーハイ」の意味・わかりやすい解説

フーヨーハイ(芙蓉蟹)【フーヨーハイ】

蟹玉(かにたま)とも。中国料理でカニの身をほぐし入れた一種玉子焼。一般的なのは広東風で,鶏卵にカニ,シイタケたけのこなどを入れて丸形に焼き,上から甘酢の薄あんをかける。いり玉子のような北京風,卵白だけでつくる上海風などもある。
→関連項目広東料理上海料理天津麺

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