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 アン

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デジタル大辞泉の解説

あん【×餡】

アズキインゲンなどの豆を煮てつぶし、砂糖や塩を入れ、さらに加熱して練ったもの。菓子・汁粉などに使う。豆をつぶしたままのものをつぶし餡、皮を取り除いたものをこし餡という。あんこ。「パン」
餅(もち)やまんじゅうの中に詰めるもの。1のほか、調味した挽(ひ)き肉・野菜など。
くず粉かたくり粉を加えてとろみをつけた汁。「かけ蕎麦(そば)」
広く、物の中に詰めるもの。あんこ。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

あん【餡】

①あずきや白いんげん豆などの豆をやわらかく煮て砂糖を加え、火にかけて練ったもの。和菓子などに用いる。さつまいも・栗・かぼちゃ・ゆり根などを裏ごしして作るものもいう。◇「あんこ」ともいう。
②餅(もち)まんじゅうなどの中に入れるもの。①のほか、調味したひき肉や野菜などを用いる。
③調味しただし汁に水で溶いた片栗粉やくず粉を加え、とろみをつけたもの。具を入れることもある。魚・豆腐・麺などにかける。日本料理中華料理で用いる。

出典|講談社
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世界大百科事典 第2版の解説

あん【餡】

まんじゅう,餅,だんごなどに包みあるいはまぶす練物。南北朝時代に中国からまんじゅうが伝えられてからのもので,《日葡辞書》には餅またはまんじゅうの詰物としてある。中国では肉類を用いることが多いが,日本ではアズキ,インゲンなどの豆類を煮たものが多く,サツマイモジャガイモなどを用いることもある。はじめは塩で味つけした塩あんであったが,室町初期ころから砂糖の輸入に伴って砂糖を使った甘味のものが現れ,江戸時代になって砂糖の国内生産が拡大するに従って,砂糖あんが主体となった。

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大辞林 第三版の解説

あん【餡】

小豆あずきなどを煮て砂糖を加え練ったもの。砂糖を加える前のものをもいう。ほかに隠元豆・さつま芋・栗・百合根などからも作り、塩味のものもある。和菓子の主材料とするほか、のばして汁粉などとする。あんこ。 → し餡 ・ 粒餡
饅頭まんじゆうや餅もちの中に包み込む、調味した挽き肉・味噌・野菜など。
くず餡。また、これに野菜・挽き肉・ウニなどを加えたものもいう。
中に入れる物。外側とは別の材料を使った中身。あんこ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


あん

まんじゅうや餅(もち)の中に詰める物を餡という。詰め物にする餡の原料には、アズキ、白インゲン、青エンドウ、ササゲなどの豆類のほか、ジャガイモ、サツマイモ、クリ、ユリ根など(デンプン質の多いもの)が用いられる。調味には主として砂糖が使われるが、用途により黒糖や水飴(みずあめ)を加える。また砂糖が高価な時代には、塩餡に仕立てることもあった。餡は本来「中に入れる雑味」のことだが、いつしか、これらの材料を煮て砂糖を加え、練り上げたもの自体を餡、または「あんこ」と称するようになった。したがって餡餅などのように上からくるむ場合も餡という。葛粉(くずこ)に、酒、しょうゆ、砂糖などを加えてつくる葛だまりを葛餡と称するのも、そうした慣用が行われてからのことといえる。日本で餡が用いられるようになったのは、南北朝時代の1350年(正平5・観応1)に、中国浙江(せっこう)省出身の林浄因(りんじょういん)が来日し、後村上(ごむらかみ)天皇にまんじゅうを献上したことに始まるといわれる。しかし平安初期の宮中の年中儀式や制度を記した『延喜式(えんぎしき)』は、唐菓子の一種として団喜(だんき)をあげている。これは、小麦粉を練った皮で巾着(きんちゃく)形の福袋をつくり、中に甘葛煎(あまずらせん)で調味した桂皮(けいひ)や数種の木の実を詰め、ごま油で揚げたものである。今日の餡にはほど遠いが、中国の月餅(げっぺい)を考えれば、団喜の中身はまさに餡の祖型であった。
 餡の種類は、アズキを材料とする漉(こ)し餡、小倉(おぐら)餡(粒餡)のほか、白アズキ、白インゲンでつくる白餡、青エンドウのうぐいす餡、いも餡、小豆(あずき)餡にゴマを加えたごま餡、ゆり餡、栗餡(くりあん)、葛(くず)餡などがある。また白餡をベースに食紅を加えて紅(べに)餡、ひき茶を加えてひき茶餡、さらにゆず餡やみそ餡もつくる。栗餡は白餡にクリの蜜煮(みつだ)きを入れたもののほか、純粋にクリだけでつくる餡がある。また葛餡の原料は、葛粉、かたくり粉、わらび粉で、麺(めん)類、野菜、魚、肉などのあんかけ料理のほか、焼き団子のたれにも用いられる。特殊な応用に練り切り餡がある。練り上げた素材を、へらや鋏(はさみ)で花や木の実に細工する和菓子独特の精緻(せいち)な手法には、餡に強靭(きょうじん)な腰を必要とする。このため、白インゲンの生(なま)餡にヤマイモと砂糖を加え、煮立たないように練りに練り上げ、しっとりした肌合いや腰をつくるのである。
 漉し餡の作り方は、よく洗ったアズキに、その4倍の水を加えて強火にかけ、沸騰したところで中火にして、差し水を加えふたたび沸騰させる。2回沸騰したところでアズキをざるに取り出し、十分に水をかけ、「渋(しぶ)切り」をする。渋切りののち、前と同量の水を加え、いったん沸騰させてから火を弱めて煮る。指先でアズキが押しつぶせるくらいになったら水を半分ほど入れた大きな容器にそっくり移す。さらに別の容器に漉しざるを置き、その中へアズキをすくい出し、水をかけながらよくつぶすと、ざるにアズキの皮だけ残り、生餡は下の容器に落ちる。この生餡をふるいにかけ、水を加えながらもう一度漉す。漉された生餡は容器の下に沈殿するから、上水(うわみず)は静かに流し捨てる。ふるいにかける手法を2、3回繰り返したら、布袋に入れて強く絞り、水分を取り除くと完全な生餡ができる。分量はアズキ1キログラムに対し、できあがりの生餡が1.5キログラムぐらいである。この生餡に砂糖(生餡の分量の4分の3)と水を加え、火を通しながらあくをとり、十分に練り上げれば漉し餡になる。
 小倉餡の場合は、アズキが煮上がった段階で、ふきんを敷いたざるに移し、水分を自然に切る。このあと砂糖と水を加え、沸騰直前まで、アズキがつぶれぬよう攪拌(かくはん)する。火から下ろして一晩ねかせ、別の容器にアズキだけ移し、鍋(なべ)に残された蜜(みつ)分を焦げ付かぬように糸が引くまで煮詰め、そこへ移しておいたアズキを入れて静かに煮上げる。アズキは上物を使う。生餡つくりの段階で「渋切り」をしないときは、渋切らず生餡ができる。この場合はアズキの深い香りが残り、濃い小豆色を呈するのが特徴である。[沢 史生]

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