馬の鼻向け(読み)うまのはなむけ

精選版 日本国語大辞典 「馬の鼻向け」の意味・読み・例文・類語

うま‐の‐はなむけ【馬鼻向・馬餞・馬贐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 旅立つ人の前途の無事を祈って、出発にあたり旅行者と酒食をともにすること。門出を祝う宴会。壮行会。送別会。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「いづみのくにまでと、たひらかに願たつ。ふじはらのときざね、ふなぢなれど、むまのはなむけす」(出典:土左日記(935頃)承平四年一二月二二日)
  3. 旅立つ人に金品詩歌などを贈ること。また、そのもの。餞別
    1. [初出の実例]「県(あがた)へゆく人に、むまのはなむけせむとて、よびて、うとき人にしあらざりければ、家刀自(いへとうじ)さかづきささせて、女の装束かづけんとす」(出典伊勢物語(10C前)四四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android