馬乗・馬騎(読み)うまのり

精選版 日本国語大辞典 「馬乗・馬騎」の意味・読み・例文・類語

うま‐のり【馬乗・馬騎】

〘名〙
① 馬に乗ること。また、その人。騎馬(きば)。乗馬(じょうば)
※桂宮本能宣集(984‐991)「末の松山にむまのりどもおりて休む」
※政談(1727頃)四「内郭外郭の御門にては、笠を脱すべし。馬乗は片鐙を外し、乗物は女中・病人の外、戸を明べし」
② 巧みに馬を乗りこなす人。また、馬術家。
※古今著聞集(1254)一〇「武蔵の国の住人つづきの平太経家は、高名の馬乗馬飼なりけり」
③ 馬に乗ったときのように、横になった人や、物にまたがること。また、そのような遊び。馬事(うまごと)
咄本醒睡笑(1628)六「くだんの男鳥居の上に上(あが)り、笠木を馬のりにして居けり」
羽織上着などの、背縫いの下や肌襦袢の脇の、少し縫わずにあけておく部分。うまのりあけ。
※浮世草子・好色二代男(1684)五「筭(さん)くづしの布子(ぬのこ)に、馬乗(ノリ)のあきし木綿羽織
⑤ 馬を持ち、乗ることを許された武士。また、その組のこと。馬持ち。
※吉川氏法度(1617)六九条「六十石より百石迄、馬乗飼料遣之趣、別紙に在之事」
⑥ 江戸幕府の職名。若年寄の支配に属する馬方の職掌。馬に乗り、飼いならす者。〔禁令考‐前集・第三・巻二六(江戸中頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android