馭謨郡(読み)ごむぐん

日本歴史地名大系 「馭謨郡」の解説

馭謨郡
ごむぐん

初めたね(国)、のち大隅国に属した郡。大隅国所属となってからは現在の屋久島・口永良部くちえらぶ島を郡域とした。

〔古代・中世〕

天長元年(八二四)九月三日の太政官奏(類聚三代格)で多島は停廃となり、大隅国に編入されることとなった。このときに能満のま熊毛くまげ益救やくの三郡と当郡の計四郡からなっていた多島は、「能満合於馭謨、益救合於熊毛」として二郡に再編成され、大隅国に編入された。ただし現在の種子島にあったと考えられる能満郡と屋久島・口永良部島地区にあったと考えられる当郡、同じく種子島にあったと考えられる熊毛郡と、屋久島・口永良部島地区にあったと考えられる益救郡を合併させることは不自然である。前掲太政官奏は実際には当郡に益救郡を、熊毛郡に能満郡をそれぞれ編入して馭謨・熊毛の二郡とし、大隅国の所管に移したことを誤って記載したものと思われる。当郡は多(国)時代には屋久島・口永良部島地区の一部(残部は益救郡域)、大隅国に移行後は同地区全域を郡域としたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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