馴・慣(読み)ならし

精選版 日本国語大辞典 「馴・慣」の意味・読み・例文・類語

ならし【馴・慣】

〘名〙 (動詞「ならす(馴)」の連用形の名詞化)
① なれるようにすること。ならすこと。練習。稽古
源氏(1001‐14頃)柏木「ことならばならしの枝にならさなむ葉守の神の許しありきと
浮世草子本朝二十不孝(1686)五「娘は〈略〉明日の晩よりの踊のならし」
② ならわし。慣例。習慣。風習
源平盛衰記(14C前)三四「此の河の水出でたるをば、何とかすべき、宇治勢多のならしに、馬筏を組んで渡して心見ばや」
③ 能や舞楽試演。〔日葡辞書(1603‐04)〕

なら・す【馴・慣】

〘他サ五(四)〙
① なれるようにする。なれ親しませる。なれさせる。手なずける。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「上に見し人を下に見〈略〉及び難かりし百敷をならす事、仏の御徳なり」
② 練習させる。習わせる。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「十余日とさだめて、舞ども馴らし、とののうちゆすりてののしる」
③ なれすぎてあなどる。気やすさのあまり、無遠慮にふるまう。
十訓抄(1252)一「すべて人の振舞はおもらかに詞ずくなにて、人をもならさず、人にもならされず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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