朝日日本歴史人物事典 「高取八蔵」の解説
高取八蔵
生年:生年不詳
江戸前期の高取焼開祖の朝鮮人渡来陶工。名は八山。諱は重貞。文禄1(1592)年,黒田長政の命を受けた後藤又兵衛の家人桐山常右衛門によって妻と1子と共に渡来した。慶長7(1602)年,高取八蔵の名を賜り,このころ高取焼最初の窯である永満寺宅間窯を開窯。同19年,内ケ磯窯を開窯。寛永初年,長政の死去に伴い,朝鮮への帰国を願い出て黒田忠之の勘気にふれ山田村に蟄居し,山田窯を開窯。寛永7(1630)年,帰参を許され白旗山窯を開窯。このころ,伏見の小堀遠州のもとで茶器制作の指導を受ける。白旗山で没。次男新九郎が八蔵貞明を名乗り2代目を襲名した。
(伊藤嘉章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報