高宮廃寺跡〈奈良県〉(読み)たかみやはいじあと

国指定史跡ガイド 「高宮廃寺跡〈奈良県〉」の解説

たかみやはいじあと【高宮廃寺跡〈奈良県〉】


奈良県御所市水野にある寺院跡。別称、水野廃寺。御所市から五條市に向かう途中にある風の森峠の西方、金剛山東中腹の標高550mに所在する。礎石の保存が良好な金堂と塔の跡を残す奈良時代初期の寺院で、1927年(昭和2)、国の史跡に指定された。金堂跡は礎石が2個分なくなっているだけで他は残っていることから、桁行12.7m、梁行9.7m、5間四面の堂宇で、内陣には三尊を安置していたと考えられる。その東南20mには塔跡があって心礎はないが礎石が並び、1辺5.4mの土壇が残っている。寺の上方は役小角(えんのおづぬ)の修行の場であった「葛城(かつらぎ)山」(金剛山)にあたることから、この寺は修行道場としての山岳寺院とみられている。近畿日本鉄道御所線近鉄御所駅から奈良交通バス「風の森」下車、徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android