高楊郷(読み)たかやきごう

日本歴史地名大系 「高楊郷」の解説

高楊郷
たかやきごう

和名抄」所載の郷。訓を高山寺本は「多加也岐」、東急本は「多加牧岐」とする。同名の郷は全国的に少なく、越中のほか駿河に知られるのみだが、駿河国益頭ましづ郡高楊郷の訓では、高山寺本が「太加夜支」、東急本が「多加也奈木」とし、読みが一定しない。「三州志」は近世野尻のじり郷にある高義たかぎ(高儀)(現福野町)を遺称地とするが、「越中志徴」はこれを支持し、「大日本地名辞書」も「多加也岐」が訛って高儀になったとする見方を示す。一方、「郷荘考」はタカヤギと読み、慶安四年(一六五一)書物高柳村がみえるが今はなく、矢木やぎ(現砺波市)ではないかとみる。また「日本地理志料」は和沢わさわ郷の域を推定するが、野尻郷の高儀村と和沢郷の高木出たかぎで(現小矢部市)若林わかばやし郷の南高木村(現砺波市)糸岡いとおか郷の北高木村(現同上、郷名は「三州地理志稿」に拠る)の地理的関係を混乱して理解している。


高楊郷
たかやなぎごう

「和名抄」諸本にみえる郷名。高山寺本に「太加夜支」、東急本に「多加也奈木」の訓がある。神亀元年(七二四)一〇月の平城宮跡出土木簡(「平城宮木簡概報」一九―二一頁)に「高楊郷中家里他田目里堅魚」と記されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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