高田勅旨田(読み)たかたのちよくしでん

日本歴史地名大系 「高田勅旨田」の解説

高田勅旨田
たかたのちよくしでん

現多治見市高田町を遺称地とし、その東方現土岐市いずみ久尻くじり・泉町定林寺じようりんじ・泉町河合かわいなどの土岐川沿いにあったとみられる。高田勅旨ともいう。正慶元年(一三三二)六月の臨川寺寺領目録(天龍寺文書)に「美濃国高田勅旨」とみえ、大宮女院(藤原子)昭慶門院―故大宰帥親王家(世良親王)と大覚寺統に伝領された皇室領で、世良親王から京都臨川りんせん寺へと伝えられた。本家職・領家職とも故親王家がもっており、給主名は不明。当時五〇貫で地頭請所となっており、それ以外に所務の地二〇貫ばかりがあった。地頭は土岐伯耆入道(頼貞)とその一族とある。暦応四年(一三四一)九月二三日、高田勅旨は室町准后(尊融)に返付されたが(「光厳上皇院宣案」臨川寺重書案文)、同年一二月一八日、尊融は高田勅旨等三ヵ所を世良親王の菩提を弔うため、臨川寺三会院に永代寄進(「尊融寄進状案」同案文)、翌年三月一二日院より認められた(「光厳上皇院宣案」同案文)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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