高速フーリエ変換(読み)コウソクフーリエヘンカン(その他表記)fast Fourier transformation

デジタル大辞泉 「高速フーリエ変換」の意味・読み・例文・類語

こうそく‐フーリエへんかん〔カウソク‐ヘンクワン〕【高速フーリエ変換】

コンピューターなどで、離散化されたフーリエ変換を高速で行うためのアルゴリズムデジタル信号の周波数解析をはじめ、通信画像処理などに広く用いられ、計算回数を減らして効率よく計算できる種々のアルゴリズムが考案されている。FFT(fast Fourier transform)。

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改訂新版 世界大百科事典 「高速フーリエ変換」の意味・わかりやすい解説

高速フーリエ変換 (こうそくフーリエへんかん)
fast Fourier transformation

FFTともいう。周期関数は正弦波ならびに余弦波の重ね合せで表すことができる。これを周期関数のフーリエ展開という。これを拡張して,任意の関数st)も,ある条件のもとで次のような周波数成分Sf)に分解できることが知られている。Sf)をst)のフーリエ変換という。

st)が,離散的なt0t1t2,……,tnに対してのみ定義されているときは,Sf)の代りに,

が用いられる。これを離散フーリエ変換という。

 離散フーリエ変換を求めるのには,一般にN2回の乗算が必要となる。1965年にクーリーJ.W.CooleyとチューキーJ.W.Tukeyは,2Nlog2N 回の乗算回数で離散フーリエ変換を計算するアルゴリズムを見いだした。この計算法を高速フーリエ変換と呼ぶ。高速フーリエ変換の手法は,現在,工学の分野,例えば画像処理システムや熱伝導応用力学,電磁場の問題を解くのに広く用いられている。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「高速フーリエ変換」の解説

高速フーリエ変換

時系列信号を周波数成分に変換する離散フーリエ変換を、高速に行うようにしたアルゴリズム。離散的フーリエ変換の計算順序を変えることで、加算や乗算の回数を減らし、高速化を実現している。

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