応用力学(読み)オウヨウリキガク(その他表記)applied mechanics

デジタル大辞泉 「応用力学」の意味・読み・例文・類語

おうよう‐りきがく【応用力学】

力学の一般原理を工学の技術的分野応用しようとする学問

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「応用力学」の意味・読み・例文・類語

おうよう‐りきがく【応用力学】

  1. 〘 名詞 〙 広義には、技術的部門問題となる力学現象を研究する学問。狭義には、材料破壊に対する強度を研究する材料力学構造力学などをさす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「応用力学」の意味・わかりやすい解説

応用力学
おうようりきがく
applied mechanics

力学を応用し技術的研究に役だてる学問。機械土木、建築、船舶、航空その他工学のあらゆる分野で使用される基礎学問である。材料に外力が作用したときにその材料が示す挙動のうち、外力を取り除いたときに変形がもとに戻る場合を取り扱う弾性学、もとに戻らない場合を取り扱う塑性学、空気や水の流れの状態を研究する流体力学、熱と機械的仕事との関係から出発し熱現象一般さらに自然界のエネルギーの流れ方を研究する熱力学などがある。さらに工学的な実用を目的としたものとして、諸材料に加わる外力による応力分布とその変形を調べ、機械を設計する場合の基礎となる材料力学、主として構造物を対象とし応力と変形を論ずる構造力学、流体力学の応用として、実験的事実をもとにして管路あるいは水路内の流れ、また水車など流体機械内の水の流れなどを研究する水力学、衝撃的に加わる外力あるいは変動する外力によっておこる振動のようすを研究する振動学、各種機構による運動伝達の場合、各要素に加わる力、力の伝達などを研究する機械力学なども応用力学の一分野である。

 なお、機械や建造物荷重が作用するときの変形や振動、内部に生ずる応力を解析し、材料の破損や破壊を論ずる材料力学や構造力学を狭い意味で応用力学ということもある。

[林 邦夫・中山秀太郎・中條祐一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「応用力学」の意味・わかりやすい解説

応用力学
おうようりきがく
applied mechanics

広い意味では技術的方面に利用する力学的現象を研究するもので,材料力学,構造力学,塑性学,弾性学,水力学,流体力学,機構学,振動学など広範囲にわたり,土木工学,建築工学,船舶工学,機械工学,さらには電気工学,化学工学などの工学全般に対する基礎学としても応用はきわめて広い。しかし一方狭い意味には,材料を使用するとき安全性を保つため,内部応力を計算し,実用上の強弱を定める材料力学,構造力学をさす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android