日本歴史地名大系 「高鍋藩人給帳」の解説
高鍋藩人給帳
たかなべはんにんきゆうちよう
五六冊
原本・写本 町立高鍋図書館(慶応元年人給帳上巻一冊のみ原本)
解説 知行高の高い者から順次、知行高・氏名・年齢が記される。なかには役職・身分・所属する組などに分類しているものもあるが、定まった書式はない。寛永一五年の人給帳が最も古く、慶応元年の人給帳まで残る。うち元禄一三年・寛保元年・延享元年・宝暦三年・享和二年・文化一二年は乾・坤二冊本、寛政九年は上・中・下の三冊仕立となっているほかは各年一冊。全冊ともに一面八行の藍色の罫線があり、中央の頁境に「高鍋藩」と印刷された用紙を用いている。慶応元年のものは和紙横帳である。寛永以前の人給帳は伝わっていないが、「隈江家記」には元和七年に人給帳改があり、歩行以上として七〇〇石の秋月蔵人から一〇石の歩行まで二四一人の人名と石高が記載されている。ほかに寛永二〇年と貞享三年の人給帳が記載されるが、元和七年の人給帳には「五十石おつま娘」と女性の名がみえ、注目される。なお県庁文書中に万延元年の人給帳がある。家老・用人・奉行・大目付以下役職順に石高・人名に続いて家の由緒・来歴が記載され、ほかの人給帳とはかなり違った書式である。
活字本 「宮崎県史」史料編近世4(寛永一五年と慶応元年の二冊を収録)
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報