鬼醜草(読み)おにのしこぐさ

精選版 日本国語大辞典 「鬼醜草」の意味・読み・例文・類語

おに‐の‐しこぐさ【鬼醜草】

  1. 〘 名詞 〙 植物しおん(紫苑)」の異名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「まくまのに雨そぼふりて木隠れのつかやにたてるおにのしこ草」(出典:散木奇歌集(1128頃)秋)

鬼醜草の語誌

( 1 )「万葉集」に見える「鬼乃(之)志許草(しこノシコぐさ)」(七二七、三〇六二)の「鬼」をオニと読んだところから生じた語。元来は不快や嫌悪を表わすシコを重ねた「しこのしこ草」で役立たずのいとわしい草の意。
( 2 )俊頼髄脳」では親を失った兄弟の孝養譚を引いて紫苑の異名としている。その話は、兄は親の死を忘れるために墓に萱草(わすれぐさ)を植え、弟は忘れないために紫苑を植えたので墓の屍をまもる鬼が弟の孝心に感じて予知夢を授けるというもの。他に龍胆(りんどう)とする説もある。

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