魚成村(読み)うおなしむら

日本歴史地名大系 「魚成村」の解説

魚成村
うおなしむら

[現在地名]城川町魚成

黒瀬くろせ川本流・魚成川・田穂たほ川に沿う谷間の村。東は黒瀬川沿いに下相おりあい村・嘉喜尾かぎのお村に接し、西はさくらが峠を経て現野村のむら町に接する。宇和島藩領。慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)宇和郡の項には「魚成村 深山続、柴山有、川有」と記される。

中世には在地領主の魚成氏の支配地域で、幕府公簿には魚成村として記されるが、藩内では魚成村のうち、魚成本村・田野々たのの(のちの田穂村)長谷ながたに村・今田いまで村・男川内おんがわち村を独立村として扱い、魚成五ヵ村と称した墅截、大成郡録)。なお「宇和旧記」は魚成村と田野々村を独立村として扱っている。太閤検地石高は七五八石二斗一升で、耕地面積は田が五七パーセント、畑が四三パーセントである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の魚成村の言及

【城川[町]】より

…愛媛県南部,東宇和郡の町。1954年土居,魚成(うおなし),遊子川(ゆすがわ),高川の4村が合体,黒瀬川村となり,59年城川と改称して町制。人口5193(1995)。肱(ひじ)川の支流黒瀬川上流域に位置し,東は高知県に接する。河谷沿いに低地があるほかは四国山地に属する山地が大部分を占める。農林業が基幹産業で,稲作,養蚕,酪農が盛ん。木材,クリ,シイタケの産も多い。かつては江戸初期からのコウゾによる和紙,江戸中期からのハゼノキによる木蠟の特産があった。…

※「魚成村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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