鳥羽山洞穴遺跡(読み)とばやまどうけついせき

日本歴史地名大系 「鳥羽山洞穴遺跡」の解説

鳥羽山洞穴遺跡
とばやまどうけついせき

[現在地名]丸子町大字腰越 鳥羽山

依田よだ川の谷の中で、その支流武石たけし川が合流する辺りは鳥羽山の西麓で、山腹は急峻な断崖をなし、その裾部を依田川が急流となって削っている。この断崖面にはいくつかの洞穴や岩陰があるが、最大の規模をもつ本洞穴を除いては遺物出土はみられていない。

本洞穴は幅二五メートル、奥行一五メートルで、中に縄文晩期の敷石遺構もみられるが、中央の大部を占めるものは古墳時代の曝葬を示す遺構で、河原石の集積が庇線から最奥部まで四段、石垣状に築かれ、五つの平坦面からは伸展状態にある人骨・焼骨とともに、土師器・須恵器・石釧・琴柱形石製品・鹿角製紡錘車・鹿角製刀子・玉類・鉄剣・鉄鏃馬具・工具類・鹿角製鳴鏑が出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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