日本歴史地名大系 「鳥見神社」の解説 鳥見神社とりみじんじや 千葉県:印旛郡本埜村中根村鳥見神社[現在地名]本埜村中根中根(なかね)地区のほぼ中央に鎮座。旧村社。県下の鳥見一八社は沼南(しようなん)町泉(いずみ)地区・布施(ふせ)地区に鎮座する二社を除く一六社すべてが印旛・手賀(てが)両沼に挟まれた印西(いんざい)地方に分布する。祭神は饒速日命・御炊屋姫命・宇麻志麻治命で、豪族物部氏の祖先といわれる神々である。鳥見神社の名称は、物部氏の出身地大和国鳥見(とみ)山(現奈良県桜井市)にちなむ説、御炊屋姫命のまたの名トミヤ姫にちなむ説がある。中根の戸崎(とさき)地区では「とりみ」というが、「とみ」とよぶ地区もある。「常陸国風土記」行方(なめかた)郡の条に、大足日子(景行天皇)が「鳥見(とみ)の丘」に登り、「印波(いなみ)」の海(印旛沼)の眺望をほめたたえた記事があるが、印旛村萩原(はぎわら)・印西市小林(こばやし)と、中根・笠神(かさがみ)の鳥見神社の四社が印旛沼を望見できる丘にあり、景行天皇の登った丘はどこか議論されている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報