笠神(読み)かさがみ

日本歴史地名大系 「笠神」の解説

笠神
かさがみ

中世からみえる地名で、印西いんざい(印西庄)のうち。檀那門跡相承(逢善寺文書)のうち什覚が書いた康暦二年(一三八〇)四月七日付の記事に、法流の相承をめぐって什覚と対立した玄吽について「彼玄吽ハ更移他家ニ也、其故ハ有徳ノ在家ノ仁一向伝授之、印西ノ笠上又太良禅門等ノ類是也、仍テ向後於坂東ニ処々落散リテ」とみえ、南北朝後期の当地には又太郎禅門という有徳人がいた。舟戸ふなどという字があることから、利根川・印旛沼水系の水運の拠点として繁栄していたことがうかがえる。当地独立丘陵には戦国時代後期の発達した形態を示す笠神城跡がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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