鳩岡鉾尾神社遺跡(読み)はとおかほこのおじんじやいせき

日本歴史地名大系 「鳩岡鉾尾神社遺跡」の解説

鳩岡鉾尾神社遺跡
はとおかほこのおじんじやいせき

[現在地名]新宮村上山 鳩岡

塩塚しおづか(一〇四三・四メートル)の北斜面の水を集めてほぼ南から北に流れる天日てんにち(銅山川支流)の東側にある鳩岡の山の斜面の緑泥片岩の一角に、鉾尾神として一立方メートル大の神祠があり、中に神体として弥生後期初め頃の広形銅矛の鋒先が奉斎されていた。それは完形品でなく、鋒先約三〇センチで、下の大半を欠いている。

この周辺は棚田式の狭い水田(千枚田)が多く開かれ、当地方の米所として良質米の多産地となっている。この近くにはほかに顕著な遺跡はない。わずかに馬立うまたて川に臨む馬立が弥生後期末かと考えられる土師器片らしいものを出すにとどまる。しかしかなり古くから地味の肥えた農耕地として開発されていたことが考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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