鳴雷神社(読み)なるいかずちじんじや

日本歴史地名大系 「鳴雷神社」の解説

鳴雷神社
なるいかずちじんじや

[現在地名]奈良市春日野町

春日山中、佐保さほ川・能登のと川の水源にあたる香山こうぜん鎮座。「延喜式」神名帳の添上そえかみ郡「鳴雷神社大、月次新嘗」に比定されており、祭神天水分あめのみくまり神。高山こうぜん社・高山竜王こうぜんりゆうおう社・竜王社、ナルカミシャとも称し、「大和志」には髪生かみなり宮と記すが、髪生宮は当社北西たか(髪生山)に鎮座する神野こうの神社のこと。鳴雷神は雨をもたらす神として古代農民に広く祀られ、貞観元年(八五九)七月五日に官社となった(三代実録)。「延喜式」四時祭の二月祭条に「鳴雷神一座十一月准此、坐大和国添上郡、右差中臣一人共祭」、掃部寮神祇官諸祭料条に「狭席五十八枚、鳴雷神春秋祭料十二枚」とみえ、春日祭と期を同じくして祀られる農業神で、さらに宮中主水司坐神とされるなど、宮中の水を供給する神としても格式のある神であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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