朝日日本歴史人物事典 「鵜殿士寧」の解説
鵜殿士寧
生年:宝永7(1710)
江戸時代中期の漢詩人。江戸の人。名は孟,字は士寧,通称は左膳。本荘,桃花園と号す。本姓村尾氏。弱冠にして長沼流兵学を学び,武芸の修練を積む。また服部南郭門に入り,詩人として名を馳せる。幕臣鵜殿長周の養子となり,長周の娘を妻とする。禄高は650石。詩は,典型的な古文辞風で,擬古主義の類型的な措辞が多い。幕臣とあって,南郭門下において重きをなしたが,それ故の評判の悪さも『先哲叢談後編』などに伝えられている。歌人として有名な余野子は実の妹になる。<著作>『桃花園遺稿』<参考文献>丸山季夫『国学史上の人々』
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報