鶴見山(読み)つるみさん

日本歴史地名大系 「鶴見山」の解説

鶴見山
つるみさん

別府市の西方にそびえる火山塊で、由布―鶴見地溝において展開された速見火山区の活動の結果形成された。阿蘇くじゅう国立公園の一画をなし、主峰の鶴見岳は標高一三七四・五メートル。さらに北にうち(一二七五メートル)伽藍がらん(硫黄山とも。一〇四五・三メートル)と続き、内山の東には大平おおひら(扇山とも。七九二メートル)がそびえている。一般に鶴見山とよぶ場合はこの四峰の山塊をさし、主峰をよぶ場合は鶴見岳とよんでいる。山陰系の角閃安山岩からなる鐘状火山で山麓の発達は小さい。別府湾から別府扇状地を経てそそり立つ山容は秀麗で、「豊後国志」には「西は由布に対し秀抜相譲らず」(原漢文)とある。火男火売ほのおほのめ神社元宮のある山頂からの展望は西に由布ゆふ(一五八三・五メートル)南西九重くじゆう(一七八八メートル)、南に祖母そぼ(一七五八メートル)、阿蘇山(主峰は一五九二メートル)、北に英彦ひこ(一二〇〇メートル)、東は別府湾から四国・中国の山々が眺望できる。鶴見岳の山頂から北西の標高一二〇〇メートルの地点にあか池の窪地があり、その北東二〇〇メートルの地点に硫気口があり、その噴気は隣接する大分市や日出ひじ町からも望見することができる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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