鶴馬村(読み)つるまむら

日本歴史地名大系 「鶴馬村」の解説

鶴馬村
つるまむら

[現在地名]富士見市鶴馬・鶴馬一―三丁目・鶴瀬東つるせひがし一―二丁目・鶴瀬西つるせにし二―三丁目・関沢せきざわ一―三丁目・上沢かみさわ一―三丁目・渡戸わたど一―三丁目・山室やまむろ一―二丁目・羽沢はねさわ一―三丁目・諏訪すわ一―二丁目

武蔵野台地北東部が、新河岸川沖積低地に落込む辺りにあり、東境を新河岸川が南東へ流れる。南は水子みずこ村、西は藤久保ふじくぼ(現三芳町)。小田原衆所領役帳では小机衆の上田左近の知行地として「入東鶴間」一七〇貫文がみえ、弘治元年(一五五五)検地が行われていた。

天正一九年(一五九一)五月多門平次(成正)は鶴間村二〇〇石を宛行われた(記録御用所本古文書)。ただし多門氏は前年天正一八年に入部したらしく、当村に陣屋を構えている(「多門館」富士見市史調査報告書一)。田園簿では田四四七石余・畑三二七石余、旗本多門氏(四〇〇石)・宮崎氏(三七五石)の二給。江戸初期に入封した宮崎氏も当村に陣屋を構えた(風土記稿)。慶安二年(一六四九)西側の武蔵野の秣場で当村が新畑を開発したとして川越藩野守に訴えられ、幕府裁許により武蔵野の開発を停止された(「新畑論所裁許状写」横田家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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