鷲の門(読み)わしのもん

日本歴史地名大系 「鷲の門」の解説

鷲の門
わしのもん

徳島城大手門前の三木郭の東側に福島ふくしま口に向かって建てられていた表門で脇戸付きの薬医門であった。慶長八年(一六〇三)黒部武兵衛が取次を勤める鷲門は口番五人ずつ交替とし、門には幕を張って守るよう蜂須賀家政から命じられており(阿淡年表秘録)、寛永八―一三年(一六三一―三六)の忠英様御代御山下画図にも描かれているので、江戸初期より存在したことがうかがえる。平成元年(一八八九)の発掘調査でも文禄―慶長期(一五九二―一六一五)と推定される滴水瓦が出土している。徳島城下から出る主要街道(淡路街道・伊予街道・讃岐街道・土佐街道)はいずれも鷲の門を起点とし、徳島藩主や重臣らの城への正式な出入口も当門であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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