鷹尾山(読み)たかおさん

日本歴史地名大系 「鷹尾山」の解説

鷹尾山
たかおさん

庄内平野の北方、出羽山地の西側にあり、標高は三五二メートル。南を最上川の支流相沢あいさわ川が、北を日向につこう川の支流荒瀬あらせ川が流れる。酒田市・八幡やわた町・平田ひらた町の一市二町にわたって裾野が広がり丘陵地をなしている。近世の鷹尾山は肥草・秣・家萱などの刈取地、灌漑用水水源、柴や塩木などの伐採地、うど・蕨など山菜の採取地、さらには焼畑地として利用された。平場の入会地が新田開発によって不足するにしたがい、平場の村々の肥草の刈取地としても重視され、日向川上流と荒瀬川上流の村を除く荒瀬・平田両郷の多くの村が利用していた。

古来、鷹尾山は無境で無年貢の惣容入会地で焼畑も自由に行われており、平場の村々の参入が始まる以前の入会村数は平田郷三一・荒瀬郷五〇、計八一ヵ村であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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