鷺森城跡(読み)さぎもりじようあと

日本歴史地名大系 「鷺森城跡」の解説

鷺森城跡
さぎもりじようあと

[現在地名]東予市壬生川

壬生川にゆうがわ港の南側、大曲おおまがり川の河口右岸にあった中世城跡で、河野氏の部将桑原通興の居城とされる。

「伊予二名集」によると、河野通之が隣国讃岐の細川氏と気脈を通ずる宇摩うま新居にい両郡の諸将が河野家の領域に侵入して来るのに備えるため、新たにこの城を築いて桑原通興に守らせ両郡のおさえとし、通興には桑原姓を改めて壬生川姓を名乗らせたとある。河野通之は予州家の祖で、兄通義のあとを継ぎ将軍義満から応永元年(一三九四)に伊予国守護に任ぜられて同一八年までその任にあった人物である。

同書には元亀三年(一五七二)河野通吉が道後湯築どうごゆづき城からこの城に入り、壬生川通国や周布しゆうふ剣山つるぎやま城主の黒河通博らを指揮して新居郡氷見ひみ(現西条市氷見)高尾たかお城主石川越前守を攻めさせ、高尾城側は城主石川以下本丸に火を放って自殺したことを記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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