麻垣康三(読み)あさがきこうぞう

知恵蔵 「麻垣康三」の解説

麻垣康三

ポスト小泉の首相候補として有力視された4人の政治家、麻生太郎、谷垣禎一福田康夫、安倍晋三の名前から1字ずつを取った総称。安倍、麻生、谷垣の3氏は意欲を明らかにしたが、7月末に福田は総裁選挙出馬を見送ることを表明し、総裁選挙は一転して消化試合の様相を呈するに至った。安倍は小泉後継として国民的人気も高く、党内の支持者も多い。これに対して、谷垣、麻生の両氏は、国民からの認知度も低く、党内においても総裁選出馬に必要な国会議員20人の推薦人を集めることさえままならないという状況であった。過去の自民党政治を振り返ると、長期政権の後には短命政権が続くというパターンが見いだせる。佐藤栄作政権の後にはいわゆる三角大福(三木武夫田中角栄大平正芳福田赳夫)による2年ごとの短命政権が続き、中曽根康弘政権の後には竹下登、宇野宗佑、海部俊樹宮沢喜一による短命政権が続いた。格差問題など小泉政治のひずみも顕在化しており、麻垣康三の時代には政権運営は多難となることが予想される。

(山口二郎 北海道大学教授 / 2007年)

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