黄昏派(読み)たそがれは(その他表記)Crepuscolari

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄昏派」の意味・わかりやすい解説

黄昏派
たそがれは
Crepuscolari

20世紀初頭のイタリアに登場した一群の詩人たちをさす。クレプスコラーリともいう。この新しい傾向の詩派の登場を契機として、従来のイタリア詩が終焉(しゅうえん)に向かいつつあった状況を、批評家のジュゼッペ・A・ボルジェーゼが「たそがれ」と評したために、この名でよばれるようになった。彼らは、不在感、孤独、むなしい愛、不信、思想への反感といった、彼らに共通する主題を、韻律を排した平明なことばで綴(つづ)った。とくに、この詩派を代表するコラッツィーニゴッツァーノは、イタリア現代詩の先駆とされる。ほかに、カルロ・キアーベス、ゴボーニマルティーニ、モレッティらがこの詩派に属していた。

[川名公平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の黄昏派の言及

【クレプスコラーリ】より

…20世紀初頭のイタリアに登場した一群の詩人たちを指す。黄昏(たそがれ)派ともいう。1910年,批評家のG.A.ボルジェーゼが発表した短文のなかで,カルロ・キアーベス,ファウスト・マリア・マルティーニ,マリーノ・モレッティの登場によって,従来のイタリア詩が終焉に向かいつつある状況を〈黄昏〉と評したのが呼称の由来。…

※「黄昏派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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