日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴボーニ」の意味・わかりやすい解説
ゴボーニ
ごぼーに
Corrado Govoni
(1884―1965)
イタリアの詩人、小説家。フェッラーラ近郊の農村に生まれ、牧歌的な処女詩集『ガラスびん』(1903)で世に出た。初め「黄昏(たそがれ)派」の詩人として『灰色のハーモニー』(1903)など感傷的な詩編を発表したが、マリネッティの未来派運動に加わってから、機械と力動を賛美した『エレクトリック詩集』(1911)その他の作品を発表。さらに『春の幕開け』(1915)ごろから未来派の力動主義から脱却し、従来の牧歌調の詩風に戻り、これを新しいリリシズムに高めて『魔法の笛』(1932)などを発表した。小説に、田園生活の悲哀を散文詩風に回顧した『夢と星のノート』(1924)、『春の驚異』(1958)などがある。
[河島英昭]