ゴッツァーノ(読み)ごっつぁーの(英語表記)Guido Gozzano

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴッツァーノ」の意味・わかりやすい解説

ゴッツァーノ
ごっつぁーの
Guido Gozzano
(1883―1916)

イタリア詩人コラッツィーニとともに「黄昏(たそがれ)派」を代表する詩人。トリノ大学在学中から詩作を始め、覚めた夢、実らぬ愛、過去の追想、現実に対する風刺などの主題を繊細なことばでつづった『隠れ家への道』(1907)を発表。肺病転地療養を続けるかたわら、迫りくる死の不安を見つめながら、巧みな対話形式を取り入れた代表作『対話』(1911)を編んだ。そのほか、インド旅行の印象をつづった『世界の揺籃(ゆりかご)に向かって』(1917)や、美しい童話集『最後の足跡』(1919)などがある。晩年には映画の製作も手がけた。

[川名公平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴッツァーノ」の意味・わかりやすい解説

ゴッツァーノ
Gozzano, Guido Gustavo

[生]1883.12.19. トリノ
[没]1916.8.9. トリノ
イタリアの詩人,小説家。自己の内部に閉じこもり,愛の不可能性と実在感の欠如とを歌った,「たそがれ派」の代表的な詩人。詩集に『隠れ家への道』 La via del rifugio (1907) ,『対話』 Colloqui (11) ,童話集に『お姫さまのお嫁入り』 La principessas si sposa (17) がある。

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