日本大百科全書(ニッポニカ) 「コラッツィーニ」の意味・わかりやすい解説
コラッツィーニ
こらっつぃーに
Sergio Corazzini
(1886―1907)
イタリアの詩人。ローマ生まれ。20世紀初頭に小グループをなした「黄昏(たそがれ)派」の代表的存在。もっぱら死と愛をめぐって感傷的な詩編を、ささやくように書きつづった。「苦杯」(1905)、「散文詩片」(1906)、「むだな小冊子」(1906)など生前の詩を集めた『叙情詩』1巻(1909)がある。メーテルリンク、ロダンバック、ラフォルグらの詩に親しみ、とくにジャムの詩を翻訳していたが、自らを「泣きじゃくる少年詩人」と名のりつつ肺を病んで21歳で夭折(ようせつ)した。「黄昏派」の詩人のなかでも、同じく夭折したゴッツァーノとともに、イタリア現代詩の出発点として近年とくに評価が高まっている。
[河島英昭]