黒内障性猫眼(読み)こくないしょうせいねこめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒内障性猫眼」の意味・わかりやすい解説

黒内障性猫眼
こくないしょうせいねこめ

乳幼児の目に発生する悪性腫瘍(しゅよう)の網膜芽細胞腫眼底で大きくなると、この腫瘍白色であるため、瞳孔(どうこう)がネコの目のように黄白色に光ってみえる。このような症状を黒内障性猫眼といい、腫瘍が網膜の大部分を冒していて、ほとんど失明に近い状態となっている。網膜芽細胞腫の子供の目の異常に周囲大人が初めて気づく症状(初発症状)の大部分を占めている。なお、この症状は最近では白色瞳孔とよぶことが多い。

[箕田健生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の黒内障性猫眼の言及

【黒内障】より

…黒底翳(そこひ)ともいう。現在では病名としては単独で用いられることはなく,現存する病名は,黒内障性猫眼amaurotic cat’s eyeと家族性黒内障性白痴amaurotic familial idiocyのみである。前者は網膜芽細胞腫retinoblastomaのある時期に瞳孔の中が光ることを指し,後者は代謝異常疾患の一つであるリピドーシスlipidosisの眼症状を主として指す病名である。…

※「黒内障性猫眼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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