大人(読み)ウシ

デジタル大辞泉の解説

うし【大人】

学者や師匠を敬っていう語。先生。たいじん。「県居(あがたい)の大人(=賀茂真淵)」「与謝野の大人(=与謝野鉄幹)」
領主、また、主人や貴人の尊称。
「瑞歯別皇子(みつはわけのすめみこ)、太子に啓して曰く、―何ぞ憂ふること甚しき」〈履中紀〉

おとな【大人】

成長して一人前になった人。
㋐一人前の年齢に達した人。「入場料大人200円、子供100円」⇔子供
㋑一人前の人間として、思慮分別があり、社会的な責任を負えること。また、その人。「大人としての自覚」「青臭いことを言ってないでもっと大人になれ」
㋒昔は、元服後の男子、裳着(もぎ)を済ませた女子。
「―になり給ひて後は、ありしやうに御簾(みす)の内にも入れ給はず」〈・桐壺〉
一族・集団の長や、年配で、主だった人。長(おさ)。頭(かしら)。女房の頭、武家の譜代の老臣、大小名の家老宿老年寄などの類。
「父(てて)は、ただ我を―にしすゑて」〈更級
「資賢卿(すけかたのきゃう)はふるい人、―にておはしき」〈平家・二〉
[補説] 
2013年10月に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーンでの「大人」への投稿から選ばれた優秀作品。

◆自分に非がなくても謝らなければいけない人のこと。
shizuka110さん

◆涙の意味は一つではないと知っている人。
カズンさん

◆「責任」という服を着せられた子供。
ゆうさん

◆宴会で頭にネクタイを巻ける人。
うらちんさん

◆我慢するときの言い訳に多用される傾向がある。「やめときます、―なんで…」
みゆの蔦さん

◆諦めることに慣れた人。
さくさん

◆夜更かししても怒られない人たちのこと。
Ikkyさん

◆何か大切なものを失い、どうでもいいことを身に付けてしまった人。
satoさん

◆昨日と違う風景に気づかなくなった者のこと。
lovethiefさん

◆経験の積み重ねでワクワクを失った者。また、未経験のドキドキを恐れて挑戦しない者。
永井条さん

◆誕生日が楽しみじゃなくなる人のこと。
ちささん

◆一人きりで泣くようになった人。
はるかさん

◆過去を笑える人。
きたのそらさん

◆守るべきものを手にした者。自分の立ち位置を理解している者。
豆大福さん

2014年1月17日放送「笑っていいとも!」の最優秀作品

◆1年365日を異常に早く感じてしまう人。
木下優樹菜さん

たい‐じん【大人】

からだの大きい人。巨人。
一人前の人間。おとな。だいにん。⇔小人(しょうじん)
徳の高いりっぱな人。度量のある人。大人物。「大人の風格を備えた人」⇔小人
地位や身分の高い人。
父・師、その他の成人男子に対する敬称。うし。
「―にも曽(かつ)て御覧に入れましたナ」〈魯庵社会百面相

だい‐にん【大人】

おとな。→中人(ちゅうにん)小人(しょうにん)
菩薩(ぼさつ)のこと。
「―の覚知する所なり」〈正法眼蔵・八大人覚〉

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百科事典マイペディアの解説

大人【おとな】

乙名・長・長男・長者・長生・老・老人・老男・宿老・家老などとも書く。一般に集団の中の指導者をさすが,特に中世後期以降の村落の代表的構成者をさす用語として頻出。近畿地方の宮座において,若衆(わかしゅう)が一定の年齢に達し,規定を全うした時,老人衆に加入できた。村落自治の発達した惣村(そうそん)における〈おとな〉衆は惣村の代表として村政を指導した。〈おとな〉衆は名主層,土豪層だったとみられる。江戸時代には平百姓に対する上層民をさし,村方三役(むらかたさんやく)などに就いている。

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大辞林 第三版の解説

うし【大人】

貴人・富者などを敬っていう語。 「太子に啓して曰く、-何ぞ憂へますこと甚しき/日本書紀 履中訓
師や学者または先人を尊敬していう語。 「今茲ここに開ける梅暦は為永-の吉書始めにして/人情本・梅児誉美

おとな【大人】

十分に成長して、一人前になった人。成人。 ⇔ こども 「 -になる」
考え方や態度が一人前であること。青少年が老成していること。 「年は若いが、なかなか-だ」 「君の考えもだいぶ-になったね」
元服をすませた人。成人。 「 -になり給ひて後は、ありしやうに、御簾みすの内にも入れ給はず/源氏 桐壺

たいじん【大人】

体の大きい人。巨人。
おとな。だいにん。
徳の高い人。度量のある人。人格者。大物。 「 -の風格がある」
身分・地位の高い人。 「政治界の-とならんか/福翁自伝 諭吉
師匠・学者を敬っていう語。うし。

だいにん【大人】

おとな。風呂屋などの料金の区別に用いる場合は、中学生以上をいう。たいじん。 → 中人ちゆうにん小人しようにん

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精選版 日本国語大辞典の解説

おお‐ひと おほ‥【大人】

〘名〙 神霊を擬人化した怪物。巨人。巨人伝説の主人公。
播磨風土記(715頃)託賀「昔、大人(おほひと)在りて、常に勾(かがま)り行きき」

おとな‐し・い【大人】

〘形口〙 おとなし 〘形シク〙 (名詞「おとな(大人)」の形容詞化)
① 一族の長らしい、また、年長者らしい思慮、分別がある。おもだっている。年配である。
※蜻蛉(974頃)上「返りごとは、かしこなるおとなしき人して、書かせてあり」
② 成人している。おとなびている。一人前らしい。
※源氏(1001‐14頃)紅葉賀「今日よりは、おとなしくなり給へりや」
③ 従順、温和である。穏やかである。落ち着いている。
信長公記(1598)一〇「色をもたがへず、最後おとなしく西に向ひ、ちひさき手を合せ、二人の者共高声に念仏となへ生害」
④ 着物の柄などが地味で落ち着いている。
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)二「髪の飾りの花表(はで)やかなると、衣服の模様の質素(オトナシキ)を、誉めなどしつつ」
おとなし‐げ
〘形動〙
おとなし‐さ
〘名〙

たい‐じん【大人】

〘名〙
① 体の大きな人。巨人。
※今昔(1120頃か)三一「此の一世界に此(かか)る大人有る所有と」
② 一人前に成長した人。おとな。だいにん。成人。
※全九集(1566頃)三「大人小児時疫頭痛発熱し」
※思ひ出す事など(1910‐11)〈夏目漱石〉二三「子供と違って大人(タイジン)は〈略〉見窮める力があるから」
③ 徳の高い立派な人。度量のある人。盛徳の人。人格者。大人物。大物。
※菅家文草(900頃)一・史記竟宴、詠史得司馬相如「大人今可用 何処不凌雲」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五「小事を軽忽するものは、大人に非ず」 〔易経‐乾卦〕
④ 身分・地位の高い人。君主や貴人。
※太平記(14C後)一二「外より贈れる物をば、先づ人に食せて後に、大人には進らする事ぞとて」
※本佐録(17C後)七「大人はいふに及ばず、いやしの下賤に至るまで」 〔礼記‐礼運〕
⑤ 先生・師匠・学者などを敬っていう語。また、一般に、他人を敬っていう語。
※通俗酔菩提全伝(1759)一「知ず大人(タイジン)(〈注〉キコウ)の意いかん」
※戯作三昧(1917)〈芥川龍之介〉四「馬琴大人の口真似をすれば」
⑥ 大名のこと。
※北条五代記(1641)三「たとえは一万騎持たる大人あり皆下知する事あたはず」
⑦ 自分の父、または母を敬っていう語。〔史記‐越世家〕

だい‐にん【大人】

〘名〙
① おとな。たいじん。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉十月暦「入場料は大人(ダイニン)二十銭小人(せうにん)十銭で有った」
② 仏語。仏菩薩をいう。
教行信証(1224)二「念必定諸菩薩者〈略〉得大悲心、成大人法

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世界大百科事典内の大人の言及

【鬼】より

…鬼と呼ばれる表象の内容は多種多様であり,時代によっても変化しているので,それをまんべんなく説明することはきわめて難しい。 〈おに〉という語は,人に見えず隠れ住んでいることを意味する〈隠(おん∥おぬ)〉に由来するとする説や,神を守護する巨大な精霊大人(おおひと)に由来するとする説などいくつかの説があるが,いずれもまだ推測の域を出ていない。漢字の鬼という字が〈おに〉という和訓を獲得しそれがほぼ定着したのは平安時代末期のころで,それまでは鬼の字を〈おに〉のほか〈かみ〉〈もの〉〈しこ〉と訓ずることもあった。…

【エジプト】より

…後には文字を習得し,有能でさえあれば,家柄に関係なく高位に昇進できるとされた。国家の要職についた官僚(および神官)が〈大人(たいじん)〉(貴族)である。古代エジプトの社会層は〈大人〉と〈小人(しようじん)〉とに大別でき,下級官僚(〈書記〉)から〈大人〉への道は理念上平等である。…

※「大人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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