黒木御所跡(読み)くろきごしよあと

日本歴史地名大系 「黒木御所跡」の解説

黒木御所跡
くろきごしよあと

[現在地名]金井町泉 和泉

国道三五〇号のいずみ停留所より北へ五〇〇メートルほどの小字畑田はただにある順徳上皇の配所とされる跡地。周囲を銀杏・松などに囲まれ、隣接して本光ほんこう寺がある。宝暦九年(一七五九)書写の時宗八世渡船の「巡国の記」文和四年(一三五五)の件に「泉といへる処ハ順徳院の御陵也」と伝える。また永享六年(一四三四)に配流された世阿弥の「金島集」にも「西の山本を見れば、人家甍を並べ都と見ゑたり、泉と申ところなり。これはいにしへ順徳院の御配処也。(中略)鄙の長路の御住まひ、思ひやられていたわしや。所は萱が軒端の草、忍の簾絶え絶え也」と泉に配所のあったことを伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の黒木御所跡の言及

【西ノ島[町]】より

…近年まで存続した牧畑(まきはた)はそのほとんどが牛や馬の放牧地に転換された。別府近くの黒木御所跡は後醍醐天皇配流時の行在所(あんざいしよ)跡と伝えられる。南部の焼火(たくひ)山(452m)中腹の焼火神社は海運業者の信仰が厚く,同神社所蔵の木舟〈トモド〉は国の重要民俗資料である。…

※「黒木御所跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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