黒沢尻河岸(読み)くろさわじりかし

日本歴史地名大系 「黒沢尻河岸」の解説

黒沢尻河岸
くろさわじりかし

[現在地名]北上市川岸一―四丁目

北上川の右岸、支流和賀川と小支流黒沢川の合流点にあたる自然堤防上に位置する。盛岡藩最南端の江戸廻米積出港として賑った。中川岸なかかしに慶安元年(一六四八)藩の御蔵が設置され(「二子物語」小原家蔵)、「雑書」慶安四年七月二八日条に黒沢尻御蔵から陸奥石巻へ送った江戸廻米の駄賃銭のことがみえ、この頃から当河岸が藩の廻米を一手に積出す役割を果したと思われる。寛文九年(一六六九)下川岸を通過する船を取締る物留番所が置かれ(雑書)、やがて花巻にあった廻米輸送業務をつかさどる御奉行が当地に移り、御所とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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