黒金座主(読み)くるかにじゃーしー

朝日日本歴史人物事典 「黒金座主」の解説

黒金座主

近世琉球の伝説上の悪僧。ミミチリボージ(耳切り坊主)の異名を持つ。妖術を用いて女をたぶらかすなどの不義を働いたので,時の王,尚敬が弟の北谷王子退治を命じた。王子は彼を囲碁誘い,その隙に耳を切り落とした。その後,王子の家に座主亡霊が出るようになり,男子が生まれると早死にした。これを避けるため男子が生まれた際には,「ウフイナグ(大女子)」が生まれたと唱えるようになり,この風習が首里中に広まったという。

(高良倉吉)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒金座主」の解説

黒金座主 くるかにじゃーしー

琉球の伝説上の僧。
尚敬王(在位1713-51)のころ,女性を妖術(ようじゅつ)によってたぶらかしたため,王弟の北谷(ちゃたん)王子に耳をきりおとされ,殺される。その後,王子の家に耳なしの亡霊が出,男子が生まれると早死にするため,「大女子(うふいなぐ)が生まれた」ととなえて祟(たた)りをさけたという。子守歌「耳切り坊主」にうたわれる。

黒金座主 くろがねざしゅ

くるかにじゃーしー

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