家庭医学館 「鼻前庭湿疹」の解説
びぜんていしっしんかんそうせいぜんびえん【鼻前庭湿疹(乾燥性前鼻炎) Rhinitis Sicca Anterior】
鼻の入り口が荒れて、かさぶたができ、かゆみや刺激がある状態です。
鼻の入り口(鼻前庭)の荒れ(湿疹)が主ですが、鼻前庭のうしろに続く鼻中隔粘膜(びちゅうかくねんまく)にも荒れが進んで潰瘍(かいよう)ができ、鼻血(はなぢ)が出ることもあります。
[原因]
どうしておこったのかわからないことも多いのですが、おとなでは鼻をほじるくせ、鼻毛を抜くくせのある人に多く見受けられます。
また鼻毛を伸ばしたままにして不潔にしておくとおこります。
子どもは、鼻の病気(鼻(はな)アレルギー、副鼻腔炎(ふくびくうえん))があると、鼻汁(びじゅう)の刺激でできやすくなります。
[治療]
皮膚の湿疹と同様、軟膏(なんこう)(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンと抗生物質の入ったもの)を鼻前庭に塗(ぬ)ります。風呂(ふろ)上がりと朝の起床時の2回塗るようにするといいでしょう。おとなは鼻毛をきれいに刈ります。子どもで鼻の病気があれば、それをまず治します。
湿疹は刺激するとよけいに悪くなります。鼻をほじる、鼻毛を抜く、鼻をこする、などはやめましょう。鼻をこすったり、いじったりするくせのある子は、行儀が悪いと決めつけないで、鼻の病気がないか、耳鼻科で診察を受けてください。
この病気は再発しやすいので、根気よく治療を受けてください。