鼻高(読み)ハナダカ

デジタル大辞泉 「鼻高」の意味・読み・例文・類語

はな‐だか【鼻高】

[名・形動]《「はなたか」とも》
鼻の高いこと。また、そのさま。「鼻高な(の)人」
得意そうであること。また、そのさま。鼻高々。
「―に、きらきらしきかたちにやあらむ」〈狭衣・一〉
天狗てんぐ異称
「『神がくしに疑ひなし』『―さまだの』」〈滑・浮世床・二〉

び‐こう〔‐カウ〕【鼻高】

鼻高履びこうり」の略。〈色葉字類抄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鼻高」の意味・読み・例文・類語

はな‐たか【鼻高】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はなだか」とも )
  2. ( 形動 ) 鼻の高いこと。また、その人やそのさま。
    1. [初出の実例]「鼻高なる者の、鼻崎は赤みて」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
  3. 天狗の異称。
    1. [初出の実例]「暮は又嶺に声して鳥甲 麓の里は鼻高(ハナタカ)が飛〈元知〉」(出典俳諧・阿蘭陀丸二番船(1680)雑)
  4. ( 形動 ) 得意になること。自慢すること。また、その人やそのさま。
    1. [初出の実例]「はなだかに、きらきらしきかたちにやあらんとぞ」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)一)
  5. 練歩の一つ。
    1. [初出の実例]「元日宴会〈略〉練作法有二・謂笏引・鼻高也」(出典:江次第鈔(1480頃か)一)
  6. はなだかぐつ(鼻高履)」の略。
    1. [初出の実例]「相公亦有御下。左兵衛持鼻高。以著御両脚」(出典:蔭凉軒日録‐延徳三年(1491)正月二五日)

び‐こう‥カウ【鼻高・鼻広クヮウ・鼻荒クヮウ】

  1. 〘 名詞 〙びこうり(鼻高履)」の略。
    1. [初出の実例]「仁証著鼻荒参上」(出典:長秋記‐長承三年(1134)二月一七日)

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世界大百科事典(旧版)内の鼻高の言及

【衣帯】より

…草履の類は,堂外および土間または石畳の堂内で用いる。沓の類はみな浅い突っかけ形式のもので,黒塗のものを鼻高(びこう),浅沓(あさぐつ),木履(きぐつ)などと称し,金襴を張ったものを草鞋(そうかい)と称する。草鞋は通常堂上でだけ使用するが,宗派によっては高僧が堂外で使用することもある。…

【人体測定法】より

…顔面では頰骨弓幅と顔面高から顔示数を算出する。前頭骨と鼻骨の境界点(ナジオンNasion)から鼻下点までの距離を鼻高,左右の鼻翼が最も外方に突出した点を結ぶ幅を鼻幅とよび,鼻幅/鼻高を鼻示数とする。角度では顔面角の測定がよく用いられる。…

※「鼻高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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