国指定史跡ガイド 「龍安寺方丈庭園」の解説
りょうあんじほうじょうていえん【龍安寺方丈庭園】
京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町にある庭園。京都市の西北、衣笠(きぬがさ)山西南麓に位置し、龍安寺の石庭として知られ、「虎の子渡しの庭」という別称がある。龍安寺は室町幕府の管領・細川勝元が1450年(宝徳2)に徳大寺実能(さねよし)の山荘を譲り受けて創建した禅寺。方丈庭園は方丈の南庭で、幅30m、奥行き10mほどの矩形の地に白砂を敷いて帚目を付け、15個の石を5ヵ所に配置しただけの簡素な石庭。その独創性は他に類するものがなく、1797年(寛政9)の火災にもかかわらず、古態を今に伝える室町時代の名園として、1924年(大正13)に国の史跡に指定され、1954年(昭和29)に特別名勝の指定を受けた。1994年(平成6)には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録された。作者、作庭年代、表現意図ともに諸説があって定かでない。京福電車北野線竜安寺道駅から徒歩約10分。