ジャライノール(読み)じゃらいのーる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャライノール」の意味・わかりやすい解説

ジャライノール
じゃらいのーる / 扎賚諾爾

中国、内モンゴル自治区北部、フルンボイル市西部の市轄区で、炭鉱町。元来満洲里(まんしゅうり)市の一部であったが、2013年分離して市轄区となった。略称は扎(さつ)区。満洲里市が管轄代行を行う(2016年時点)。人口15万(2015)。フルン湖から北流する川と、大興安嶺(だいこうあんれい)から西流するハイラル河との合流点の南西に位置する。浜洲(ひんしゅう)線に沿い、終点の満洲里より30キロメートルほど手前にある。炭鉱は1904年からロシア人が採掘を開始し、「満州国」国有を経て、現在は中国国営となっている。産出する石炭は概して熱量が少なく、風化しやすい褐炭で工業用には適さない。しかし埋蔵量は莫大(ばくだい)で、鉄道用、民生用に年間約1500万トン(2013)が採掘される。

 同地のジャライノール遺跡は華北旧石器時代のもので、1933年ロシアの学者トルマチョフによって発掘、調査された。シカの角(つの)、その他の骨角器や人骨が出土し、シベリアの骨角器文化との関連が注目されている。

[浅井辰郎・編集部 2017年12月12日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャライノール」の意味・わかりやすい解説

ジャライノール(扎賚諾爾)
ジャライノール
Jalainur

中国北部,内モンゴル (蒙古) 自治区北東部,マンチョウリー (満洲里) 市南東部の鉱業地区。 1970年代に大型炭鉱が開発され,露天掘りが行われている。石炭はピンチョウ (浜洲) 鉄道によってマンチョウリー市の工業地区に送られ,重工業建設に大きな役割を果している。

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世界大百科事典(旧版)内のジャライノールの言及

【顧郷屯遺跡】より

…この遺跡について,かつて中期旧石器文化とか中石器文化とか憶測されたことがあるが,再度検討の必要がある。また内モンゴル自治区フルンブイル盟のジャライ・ノール遺跡も,毛サイ,マンモス,野牛の化石骨とともに柳枝製編物や骨角器が出土し,中期旧石器文化ないし中石器文化と推定されたが,化石骨と伴出関係の明らかなものについては再度検討を必要としよう。【加藤 晋平】。…

※「ジャライノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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