前引き(読み)マエビキ

デジタル大辞泉 「前引き」の意味・読み・例文・類語

まえ‐びき〔まへ‐〕【前引き】

利子など後日支払われるべき分を前もって差し引くこと。
客の前に引出物を出しておくこと。また、その引出物。
「また―の置物をしけるに」〈太平記・三三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「前引き」の意味・読み・例文・類語

まえ‐びきまへ‥【前引・前挽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 客または主人の前に引き出物を置くこと。また、その引き出物。
    1. [初出の実例]「前引(まへひキ)の置物をしけるに、初度の頭人は、奥染物各百充(づつ)、六十三人が前に積む」(出典:太平記(14C後)三三)
  3. 前もって差し引くこと。
    1. [初出の実例]「借用証文を取置き利息は貸渡しの節之を前引に取るべし」(出典:会社弁(1871)〈福地桜痴〉諸会社取建の手続大要)
  4. ( 前挽 ) 木を縦に切るのこぎり(日葡辞書(1603‐04))。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android