国立歴史公園-シタデル、サン-スーシ、ラミエ(読み)こくりつれきしこうえんシタデル、サンスーシ、ラミエ

世界遺産詳解 の解説

こくりつれきしこうえんシタデル、サンスーシ、ラミエ【国立歴史公園-シタデル、サン-スーシ、ラミエ】

1982年に登録された世界遺産(文化遺産)で、ハイチ北部の高地にある。ハイチはアフリカから強制連行された奴隷の子孫が築いた世界最初の黒人国家で、1794年に奴隷制度が廃止され、1804年にフランスから独立を宣言した。独立運動の指導者デサリーヌはやがて皇帝を名のり、フランスを警戒して標高970mのラ・フェリエール山頂に高さ50mもある城塞シタデルを建築させ、死後1817年に完成した。1806年のアンリクリストフ(後のハイチ国王アンリ1世)らによる皇帝暗殺後、ハイチは内戦状態が続いたが、1811年にクリストフが王位につくと、旧宗主国のフランスのべルサイユ宮殿を模して、ラミエの丘にサン・スーシ城を建造。その後、クリストフは自殺し、城は1842年の地震で崩壊し、礼拝堂だけが往時の姿を伝えている。ハイチの建国当初の姿を伝える貴重な史跡群が文化的価値を有すると評価され、世界遺産に登録された。◇英名はNational History Park-Citadel, Sans Souci, Ramiers

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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