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アンリ アンリ Henri

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デジタル大辞泉の解説

アンリ(Henri)

フランス国王。
(2世)[1519~1559]在位1547~1559。フランソワ1世の第2王子。宗教改革運動を強く弾圧し、宗教裁判所を設けた。
(3世)[1551~1589]在位1574~1589。の第3王子。失政を重ねてパリを追われ、のち、暗殺された。バロワ朝最後の王。
(4世)[1553~1610]在位1589~1610。ブルボン王朝の祖。はじめプロテスタントであったがカトリックに改宗して即位を認められ、さらにプロテスタントと和解するためナントの勅令を発布して信仰の自由を認め、宗教戦争を終結させた。

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大辞林 第三版の解説

アンリ【Henri】

(四世)(1553~1610) フランス国王(在位1589~1610)。ユグノー戦争でユグノー教徒の首領として活躍。1589年即位してブルボン朝を創始、王位安定のためカトリック教に改宗。ナントの勅令を発し信仰の自由を認め、内乱を終結させた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アンリ
あんり
Michel Henry
(1922―2002)

フランスの哲学者。旧、仏領インドシナに生まれ、リール大学に学び、第二次世界大戦中はレジスタンス運動に参加する。1978年までモンペリエ第三大学教授。
 現象学に「生」という新たな次元を切り開いた点で決定的な意味をもつ現象学者である。「生」は現象学が主題としてきた多様な現象のうちの一つという相対的な性格のものではなく、何が現象するにしても、「現象する」という出来事が必ず前提しているという点で絶対的な性格をもつ。この絶対性において生を現象学的に捉えることがアンリの唯一の課題である。アンリはフッサール、ハイデッガーに代表される「古典的現象学」を、現象性を「可視性の地平」に限定するものとして総体的に批判するが、「存在論的一元論」と名づけられるこの傾向は現象学に始まったものではなく、視覚をモデルとする古代ギリシア以来の西洋哲学を拘束し続けてきたものだとされる。これに対して、「徹底化された還元」を遂行することにより、志向性や存在の開く「可視性」の地平の内部では決して「見えない生」が、志向性に先だって「現象する」さまをとらえることが可能になるのだとアンリは主張する。もはや視覚に拠らないこのような生の不可視の現象性は「情感性」として記述され、志向性を介さないその現象構造は「自己触発」として分析されるが、それは、「触発する自己」と「触発される自己」の間にいかなる差異も介入しないという点で、従来の「自己触発」概念とはまったく性格を異にするものである(『顕現の本質』L'essence de la manifestation(1963)、『身体の哲学と現象学』Philosophie et phnomnologie du corps(1965))。
 アンリはこの構想を、さらにデカルト、カント、ショーペンハウアー、ニーチェ、フロイトのなかに不可視の生への接近を跡づける作業(『精神分析の系譜』Gnalogie de la psychanalyse(1985))や、フッサールの時間性の分析を新たにたどり直すことでそこに志向性から身を隠す生のかすかな痕跡(こんせき)を探り出す作業(『実質的現象学』Phnomnologie matrielle(1990))として続行してゆく。他方で、このような「生の現象学」に基づいてアンリは、近代以降の科学技術に基礎を置く文明が生を隠蔽(いんぺい)し、忘却してきたのだとして糾弾する文明論(『野蛮』La barbarie(1987))や、不可視の生を可視化するものとしてカンディンスキーに代表される現代絵画を新たに評価し直す芸術論(『見えないものを見る』Voir l'invisible(1988))を展開している。そのほか『マルクス』Marx(1976)、『共産主義から資本主義へ』Du communisme au capitalisme(1990)など「生」の立場から、マルクス主義を論じた著作も残している。
 晩年になるにしたがい、アンリは自己の根底でおこるこの「不可視の生」の現象性の構造をキリスト教、とりわけ『ヨハネによる福音書』にみられるイエス・キリストの受肉の出来事(「超越論的原―息子」とよばれる)の内に読み込んでゆくようになる。神とは生そのものであり、その生の本質は自己をあらわにすること、啓示にあるのであって、その神の自己顕現=啓示がイエス・キリストの受肉という根源的な出来事なのである(『我は真理なり』C'est moi la vrit(1996)、『受肉』Incarnation(2000)、『キリストの言葉』Paroles du Christ(2002))。
 なおアンリは小説家としても活動した。とりわけ『目を閉じて愛』L'amour les yeux ferms(1976)はルノード賞を受賞している。そのほかの小説作品として、『若い士官』Le jeune officier(1954)、『王の息子』Le fils du roi(1981)、『不躾(ぶしつけ)な死体』Le cadavre indiscret(1996)がある。[永井 晋]
『山形頼洋・望月太郎訳『野蛮――科学主義の独裁と文化の危機』(1990・法政大学出版局) ▽山形頼洋他訳『精神分析の系譜――失われた始源』(1993・法政大学出版局) ▽青木研二訳『見えないものを見る――カンディンスキー論』(1999・法政大学出版局) ▽中敬夫・野村直正・吉永和加訳『実質的現象学――時間・方法・他者』(2000・法政大学出版局) ▽中敬夫訳『身体の哲学と現象学――ビラン存在論についての試論』(2000・法政大学出版局) ▽野村直正訳『共産主義から資本主義へ――破局の理論』(2001・法政大学出版局) ▽Marx(1976, Gallimard, Paris) ▽L'amour les yeux ferms(1976, Gallimard, Paris) ▽Le fils du roi(1981, Gaillimard, Paris) ▽C'est moi la vrit; pour une philosophie du christianisme(1996, Seuil, Paris) ▽Paroles du Christ(2002, Seuil, Paris) ▽Phnomnologie de la vie, Tome ; De la phnomnologie(2003, PUF, Paris) ▽Phnomnologie de la vie, Tome ; De la subjectivit(2003, PUF, Paris)』

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20世紀西洋人名事典の解説

アンリ
Henri


1874 - 1958
飛行家。
1908年ボアザン兄弟の作った複葉機に補助翼をつけヨーロッパ最初の旋回飛行に成功し、ついで1Km飛行にも成功する。’09年独自設計のアンリ・ファルマンⅢ型の初飛行にも成功する。

アンリ
Henri(comte de Paris)


1908.7.5 -
フランスの王族。
エーヌ県生まれ。
フランス王ルイ・フィリップの曾孫で少年時代モロッコで過ごし、後にパリに住むが王位の子孫のため国内永住が出来ず、王政復古を唱える。第二次世界大戦中は名を変え外人部隊に参加する。1950年法律が改正され帰国が認められる。

出典|日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)
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世界大百科事典内のアンリの言及

【旧教同盟】より

…16世紀後半のフランスで,宗教戦争(ユグノー戦争)末期に結成された過激派カトリックの同盟。新旧両派の武力抗争が続く中で,国王の周辺に,王権の強化による平和の回復を目指す穏健派カトリックを中心とした第三の党派〈ポリティーク派Politiques〉が形成され,宗教的寛容の傾向を示し始めたのに対し,異端の撲滅を主張する正統派カトリックが,1576年北フランスのペロンヌにおいて宣言を発し結成した同盟で,ギーズ公アンリを首領と仰いだ。その後,アンリ3世の懐柔策により一時活動が中断されるが,84年王弟フランソアの死により,プロテスタントのアンリ・ド・ナバール(のちのアンリ4世)が王位につく可能性が生ずると,これに徹底的に反対し,同年末のジョアンビル協定によりスペインの財政的・軍事的支援をえて,全国的にプロテスタントに対する武力弾圧に乗り出した。…

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