坊泊郷(読み)ぼうとまりごう

日本歴史地名大系 「坊泊郷」の解説

坊泊郷
ぼうとまりごう

鹿児島藩の近世外城の一つ。河辺郡に所属し、同郡の南西端南部に位置する。鹿児島城下より一四里半の地にある(三州御治世要覧)。鹿児島藩直轄領で、坊村(坊津村)泊村で構成される。初め加世田郷から坊・泊両村が分離して坊郷・泊郷と称したが、正保(一六四四―四八)頃か明暦三年(一六五七)に合併して坊泊郷となったといわれる(「坊津町郷土誌」など)諸郷地頭系図天文(一五三二―五五)頃の島津尚久を坊泊郷の初代地頭としており、その後の鮫島宗秋・川村七郎左衛門・本田親知らには泊地頭の記載があるとし、寛文(一六六一―七三)頃の相良頼英について「引続坊泊地頭被下候ヘ共」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報