浮世袋(読み)ウキヨブクロ

デジタル大辞泉 「浮世袋」の意味・読み・例文・類語

うきよ‐ぶくろ【浮世袋】

絹布三角形に縫った中に綿を入れ、上の角に飾り糸をつけたもの。江戸時代通人が懸け香の匂い袋としたり、遊女屋暖簾のれんにつけたりしたが、のちには子供玩具になった。

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精選版 日本国語大辞典 「浮世袋」の意味・読み・例文・類語

うきよ‐ぶくろ【浮世袋】

  1. 〘 名詞 〙 近世初期に流行した袋で、絹を三角に縫い、中に綿を入れ、上の角に糸をつけたもの。遊女屋の暖簾(のれん)につけたり、匂い袋としたり、針仕事縁起物などにしたが、早くすたれ、後に、子供の玩具となった。屠蘇袋(とそぶくろ)は、これに由来するという。
    1. [初出の実例]「花花のつぼみはうき世袋哉〈重政〉」(出典:俳諧・誹諧発句帳(1633)春)

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世界大百科事典(旧版)内の浮世袋の言及

【匂袋】より

…袋物としても燧袋(ひうちぶくろ)とともに長い歴史を持ち,正倉院御物に小香袋が7口現存している。江戸時代になると,匂袋は一般化し,浮世袋,花袋,誰袖(たがそで)などの名で親しまれ,蚊帳に掛けたり,花街ではのれんにつける習いがあったが,しだいに懐中して使う形に変化した。香料はおもに丁字(ちようじ),麝香(じやこう),竜脳(りゆうのう)などが使われ,いろいろな調合法があった。…

※「浮世袋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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