福成就寺(読み)ふくじようじゆじ

日本歴史地名大系 「福成就寺」の解説

福成就寺
ふくじようじゆじ

[現在地名]名張市中村

槙山勝宝院と号し、真言宗室生寺派、本尊薬師如来。創建の由来などは不明だが、平安時代中期になか村にあった壬生みぶ寺との関係が考えられる。福成就寺所蔵の大般若経巻五八二の一の初めに「名張中村 壬生寺」の書込みがあり、同経巻の巻六〇〇(現所蔵不明)巻頭壬生寺、奥書に寛和二年(九八六)年紀があり、当時中村に壬生寺があったことは間違いない。長承三年(一一三四)七月日の伊賀国矢河中村夏見公畠取帳(筒井英俊氏所蔵文書)の中村条に「壬生寺 敷地麦一段、得一段」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報