15パズル(読み)じゅうごパズル(英語表記)Fifteen Puzzle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「15パズル」の意味・わかりやすい解説

15パズル
じゅうごパズル
Fifteen Puzzle

1~15の番号が書かれた 15個の正方形の駒を,4×4の碁盤目状のボード上で一つだけ空いた枡に動かすことにより,番号順に並べ替えるパズル。ジェム・パズル,ボス・パズル,ミスティック・スクエアとも呼ばれる。1878年頃にサム・ロイドが考案したとされるが,もっと早くにつくられていたことを示す文献もある。1880年頃,ヨーロッパ中で一斉に人気を博した。20兆通り以上もの異なる駒の配置がありうるといわれたが,1879年に 2人のアメリカ合衆国数学者が,解くことができる配置は 10兆通り前後であることを証明した。数学的な解析によれば,左上から右下へ駒が正規の配置に並んでいる場合,それぞれの駒の番号は,前に置かれたどの駒よりも大きい。つまり,どの駒も自分より小さい番号の駒の前に置かれることはない。一方,正規以外の配置では,一つ以上の駒が自分より小さい番号の駒の前に置かれる。このような配置を「転置」と呼ぶ。たとえば,9,5,3,4という数列では,9は自分より小さい番号の三つの駒の前,5は自分より小さい番号の二つの駒の前にあり,計五つの転置があることになる。転置の総数偶数であれば,駒を正規の配置に戻すことができるためパズルは解けるが,転置の総数が奇数だと解けない。このパズルにはもっと大きなボードを用いることも理論上は可能で,枡目が m×nのボードの場合,1~(mn-1)の番号をふった駒を使う。

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